アルン・ジャイトリー
1952年12月28日ニューデリー生まれ、63歳。
2014年5月から現在までインド連邦議会上院院内総務、財務大臣、企業大臣、情報・放送大臣。インド人民党(BJP)幹部。著名な弁護士であると同時に、卓越した手腕を持つインド人民党リーダーでもある。弁護士として、また政治指導者として豊かなキャリアを築く中で数多くの要職を歴任し、経済自由化、司法改革、選挙制度改革、社会的・経済的立法制度の発展などの分野で多大な貢献を果たしてきた。
1999年10月から2002年7月、および2003年1月から2004年2月まで、インド中央政府国民民主同盟代表、情報・放送大臣、法務大臣、企業大臣、海運大臣、商工業大臣などを歴任。1991年よりインド人民党幹部党員となり、総書記ならびに広報担当を務めてきた。
大臣任期中、初のインド政府保有株式売却計画に着手、電気通信政策の導入に寄与、様々な立法および司法改革を実行するなどの功績を上げた。未決訴訟の削減と早期結審を目的とした民事・刑事訴訟法改正に取り組んで裁判の迅速化を推進したことは、法務大臣在任中で最大の治績。また、自由化および国際化に即した企業の法的枠組みづくりのため、会社法や競争関係法の包括的改正を導いた。個人にかかわる法律では、離婚および慰謝料に関する重要な法改正を行い、ドメスティック・バイオレンスに関する画期的な法律を制定した。
法務大臣任期中、第84次憲法改正の際に選挙区設定に関する改正を行い、第91次憲法改正時には閣僚会議の規模縮小と、大臣職を忌避した場合に議員資格を停止する旨の改正を実行した。テロ対抗策として、初の包括的テロ防止法案(POTA)が議会で可決。2003年、極めて重要な国際会合であるWTOカンクン閣僚会議の準備期間中、インド交渉団を率いて連日の厳しい交渉業務に当たり、優れたリーダーシップを発揮してG20参加国間の新たな協調関係を築き上げ、著しい成果を上げた。この間、欧米諸国の交渉団に伍して論戦を繰り広げ、新興経済国に関する諸課題に注目を集めることに成功した。
聖ザビエル学院(ニューデリー)卒業。シュリ・ラム商科カレッジ(ニューデリー)卒業。1977年、デリー大学法学部にて法学士学位を取得。1989年、上級弁護士に認定。
学業および課外活動における優れた功績により、名誉博士号をはじめ数々の栄誉を受けた。1974年デリー大学学生自治会会長。インド非常事態宣言時には、当時の圧政に対する積極的な抗議行動により19カ月間の予防拘禁処分を受けた。1973年に故ジャイ・プラカシュ・ナラヤン氏が起こした政治汚職撲滅運動の主要メンバー。
2010年優秀国会議員賞受賞。社会経済、政治、法律など様々な分野の記事を、新聞・雑誌に幅広く寄稿している。また、マネーロンダリング法、行政情報伝達の合理化、言論の自由、環境問題、気候変動といった重要問題についての講演活動にも熱心。2015年ダボス会議でインドの今後10年間の展望についての講演を行うなど、最新の課題に関する講演活動も行っている。