スリン・ピッスワン
1949年10月生まれ、67歳。
タイ・ナコンシータマラート県出身。
ナコンシータマラート県で初等中等教育を終了。アメリカン・フィールド・サービス(AFS)の奨学金により、1967~68年に米ミネソタ州へ交換留学。帰国後、タマサート大学で2年間を過ごした後、米Claremont Men's College(現Claremont McKenna College)の奨学金を得て、同大学政治学部へ進学した。74年にハーバード大学で政治学修士号、82年に同大学で中東地域研究の博士号を取得した。
83~84年に米国政治学会のコングレッショナル・フェローシップ・プログラム(Congressional Fellowship Program)に参加。後年、民主党副大統領候補になったフェラーロ下院議員事務所や上院共和党議員総会に勤務した。帰国後、タマサート大学で教鞭を執った後、故郷のナコンシータマラート県から国政選挙へ出馬。86年から8期にわたり国会議員を務めた。
衆議院議長秘書官、外務副大臣を経て、97年から2001年まで外務大臣。在任中はASEAN 外相会議議長やASEAN 地域フォーラム(ARF)事務総長を務めた。ASEAN 議長として東ティモールの平和と安定に貢献したほか、サイクロンに被災したミャンマーへのASEAN 諸国、国連などによる救済・復興協力にリーダーシップを発揮した。
08年1月から12年12月まで東南アジア諸国連合(ASEAN)事務局長を務め、退任後はタマサート大学名誉教授や政策研究大学院大学シニアフェロー、奈良県立大学客員教授、英オックスフォード大学イスラム研究センターフェロー、タイ未来革新研究所所長として活躍している。マレーシア王室より送られた“Tan Sri”の称号を持つ。2017年~18年の国連安全保障理事会のタイ政府の立候補にあたり特使に挙げられている。
東アジアの地域統合促進、タイの教育、政治改革に取り組むほか、様々な国際会議で講演を行っている。