陳方安生(アンソン・チャン)
アンソン・チャンは2001年、約40年間務めた香港特別行政区(HKSAR)政務官の職を辞した。19万人強の行政職員を率いて政務官の任務に当たった。香港で第2位に位置するこの政治的要職に就いた初の女性であり、初の華人でもあった。公職期間中の主な業績に、香港新国際空港(1998年7月開港)の計画と建設、港湾拡張、通信マーケットの規制緩和をはじめとする香港経済のインフラ開発がある。
直近の10年間では、香港行政長官および議員総選挙において極めて重要な役割を果たした。2007年12月立法会補欠選挙に立候補し、他候補に圧倒的な大差をつけて当選を果たした。政府の透明性と説明責任、民主主義、そして香港が採用する「一国二制度」の概念に込められた権利と自由の保障を重んじる姿勢で知られる。民主主義とガバナンス関連の諸問題に取り組む小規模シンクタンク香港 2020の代表を務め、プロジェクト・シチズンズ基金の創設ディレクターの一人でもある。同基金は市民の意識向上と参加意欲の促進に力を注いでおり、特に若い世代に向けて、香港の本質的価値、法制度、「一国二制度」における基本的権利と自由を守り続けるための啓蒙活動を行っている。
香港大学にて英語学および英文学の学士号を取得(優等卒業)した他、香港大学、リバプール大学(英国)、タフツ大学(米マサチューセッツ州)、香港公開大学、香港中文大学、シェフィールド大学(英国)より名誉学位を授与され、上海交通大学より名誉教授、ロンドン大学東洋アフリカ研究所より名誉フェローの称号を受けている。
香港特別行政区における最高位勲章である大紫荊勲章を受章。英国女王エリザベス二世より聖マイケル・聖ジョージ勲章を授与されデイム・グランド・クロスの爵位を受けた。また、フランス大統領よりレジオンドヌール勲章を贈られシュヴァリエの称号を受けた。