イアン・ブレマー
専門領域
アジア、ユーラシア、欧州、中東・北アフリカ、北米、グローバルマクロ政治情勢
イアン・ブレマーは、政治リスク調査及びコンサルティング分野における国際的リーディングカンパニーであるユーラシア・グループの創設者兼社長です。また、ユーラシア・グループ傘下のメディア企業で、リーダー国家不在の現在の世界情勢について世界の人々の理解を促進するため、各種の番組を提供するGZEROメディアの創設者兼社長でもあります。
ブレマーはオピニオンリーダーそして著作家として、講演、テレビ番組への出演、外交問題コラムニスト及びエディター・アット・ラージを務めるタイム誌を含むトップクラスの出版物への寄稿、といった各種の活動を積極的に行っています。かつてエコノミスト誌から「政治リスク分析の領域において“新たに台頭する第一人者”」とも称されたブレマーは、ニューヨーク大学の教授として、その分野の講義も受け持っています。ブレマーの最新著書 “Us vs. Them: The Failure of Globalism” (邦訳:「対立の世紀:グローバリズムの破綻」)はニューヨーク・タイムズのベストセラーとなりました。
1998年、ブレマーがわずか25,000ドルを元手に設立したユーラシア・グループは現在、ニューヨーク、ワシントン、サンフランシスコ、ロンドン、サンパウロ、シンガポール及び東京に拠点を有し、世界90ヵ国に専門家および情報ソースのネットワークを持つまでに成長しました。ブレマーは同社社長として、また同社における最も中心的なオピニオンリーダーとして、世界各国の主要企業経営幹部、資産運用責任者、外交官や首脳に対してアドバイスを提供しています。
ブレマーはまた、世界で初めて政治リスクをインデックス化した指標(GPRI)をウォールストリートのクライアント向けに導入し、金融市場向けの政治リスク分析手法を編み出した人物として、また政治リスク分析をアカデミックな領域として確立した人物としても知られています。ブレマーによる新興市場の定義、すなわち「経済と少なくとも同程度に、政治が市場活動の成り行きに影響を与える国々」という尺度は、産業界におけるスタンダードになっています。また、国際的な課題解決に向けたリーダー役を担う意欲と能力を有する国家が不在で、世界的に力の真空が生じている状況を“Gゼロ”と称するブレマーの考え方は、世界の政策決定者やオピニオンリーダーから広く支持されています。
ブレマーは2007年、自らがその地政学リスクに関するグローバル・アジェンダ委員会のFounding Chairmanを務めるWorld Economic Forum(世界経済フォーラム)から、Young Global Leader(ヤング・グローバル・リーダー)の一人に選ばれました。また、Asia Society Policy Institute のHarold J. Newman Distinguished Fellow (ハロルド・J・ニューマン特別フェロー)、Near East FoundationのPresident’s Councilのメンバー、ConcordiaのLeadership Councilのメンバー、及びIntelligence Squaredの評議会のメンバーも務めています。
イアン・ブレマーはスタンフォード大学より政治学の修士号および博士号を取得した後、同大学のフーバー研究所における史上最年少のフェローとなりました。また、ブレマーは国際関係の学士号をテュレイン大学より取得しています。
これまでブレマーは、ベストセラーとなった“Every Nation for Itself: Winner and Losers in a G-Zero World” (邦訳:「Gゼロ後の世界:主導国なき時代の勝者はだれか」)、”The End of the Free Market: Who Wins the War between States and Corporations?” (邦訳:「自由市場の終焉」)、 “Superpower: Three Choices for America’s Role in the World” (邦訳:「スーパーパワー:Gゼロ時代のアメリカの選択」)を含め、10の著書を出版しております。